井の頭池のかいぼり6つの効果
イノカシラフラスコモ
「かいぼり」後の池の様子を知るためのモニタリング調査は、井の頭かいぼり隊とNPO法人生態工房が協力して行っています。
- 池の透明度が上がった
2016年秋の時点で広い範囲で池底を見ることができた。(水深約1.5m) - 在来種の魚やエビが回復しつつある
在来種の魚やエビを食べる肉食系外来種オオクチバスは確認されていない。また、ブルーギルも成魚が減少している。 - 在来魚を食べるカイツブリの繁殖も増えた
カイツブリは、井の頭公園を象徴する鳥です。
→ [井の頭公園・豆知識2]井の頭池を象徴する鳥 カイツブリ - ツツイトモという絶滅危惧種の水草が池一面に見られた
この水草にはミジンコが住みついたり、魚が卵を産みつけたり、魚の逃げ場ともなります - 弁天池では、多くの地点で湧き水が見られた。
- イノカシラフラスコモの復活
60年の眠りから覚めた水草 井の頭恩賜公園「イノカシラフラスコモ」
https://www.sankei.com/article/20220319-KWGARUUWSNJNFFZNLCXJXENBSU/
(2022/3/19)令和2年からイノカシラフラスコモを育て、生態を調べているのが前出の水生物館だ。飼育展示係の田辺信吾さんは水温、光、二酸化炭素などのさまざまな条件を調整しながら、最適な生育条件を探り続ける。
月1回は井の頭池に潜り、様子を肉眼で確かめる田辺さん。「展示では生き物のいる環境を再現するので、実際に自分で体験することが必要です。ただ、寒いです…」
肥料の使い方など、生育の条件は少しずつ明らかになりつつある。
地域待望のイノカシラフラスコモの復活!
イノカシラフラスコモが、59年ぶりに「かいぼり」後の地底で確認されました。湧水が枯渇した1957年(昭和32年)に井の頭池周辺で発見された新種の「藻」です。環境省レッドリストの絶滅危惧Ⅰ類に指定されています。
冬の「かいぼり」後、池底が空気にさらされ、低温や乾燥、底質の撹乱といった刺激により、土の中に眠っていたイノカシラフラスコモの胞子が発芽したと考えられます。
土壌シードバンク調査といって、池底の土壌をほり、その中に休眠している種や胞子を発芽させ、今後の水草の可能性を知る調査方法によってです。
また、水草の生育を阻害するソウギョやコイを駆除したからと考えられます。「かいぼり」では駆除できないアメリカザリガニなどは、2016年以降130のカゴワナをしかけ、駆除しています。