池の水を抜く「かいぼり」とは?
2015年12月かいぼり
「かいぼり」とは、もともと農業用ため池の維持管理手法です。農閑期に池の水を抜いて、泥をさらって、魚を採ったり、護岸の保守点検を地域の人々が共同して行ってきた作業です。
それが、水質改善や外来魚対策に高い効果があることが知られてきて、都市部の公園管理として取り入れられました。そのきっかけが、井の頭公園の「かいぼり」です。
「かいぼり」の手法
かいぼりの手順は
- 水質改善のため、池の水を抜いて、生き物を採る
- 採った生き物は、在来種と外来種に区分けする
- 池の底を天日干しする
- 水と在来種のみ戻す
- その後、さまざまなモニタリング調査
主な効果は、オオクチバスやブルーギルなどの防除と水質改善です。
オオクチバスとブルーギル
かいぼり計画
井の頭公園では、2014年から100周年の2017年までに、1年おきに全3回かいぼり(1回約3ヶ月)が行なわれました。池の底が低いため、ポンプで汲み上げて排水しました。
井の頭かいぼり隊
「かいぼり」には、多くのマンパワーが必要になります。「かいぼり」後のモニタリングや池の自然再生を調べるためにボランティアの「井の頭かいぼり隊」が公募されました。高校生から80歳代まで、約50名が登録しています。
次に、「かいぼり」当日だけ参加する「おさかなレスキュー隊」。募集するとすぐに定員に達するほど人気が高く、たくさんの市民の方が参加されました。約3ヶ月の「かいぼり」期間中、プレハブ小屋にて、常駐のNPO職員やボランティアにより、捕獲された魚の展示や解説もおこなれました。
過去2回の「かいぼり」には、7日間の魚類捕獲イベントに参加された市民の方は、のべ914人だそうです。全3回では、もっと多くの市民の方がボランティアとして参加されたことでしょう。