※本ページにはプロモーションが含まれています。

井の頭池の白蛇伝説と宇賀神像

井の頭池に伝わる白蛇伝説の絵馬(豆知識99 No.16)

井の頭池の主、白蛇伝説

「どうか、私たち夫婦に子供を授けてください」
むかし、むかし、子供のいなかった世田谷の長者夫婦が弁財天に願をかけました。

「まるで、弁天様のようだ」
すると、首筋に3枚のウロコを持ったかわいい娘を授かりました。

育つにつれて、美しく、気立ての良い娘に成長しました。評判もよく、
「うちの嫁に」という声が多くよせられました。

しかし、16歳になった娘は、打ち明けました。
「じつは、わたしは池の主の化身です」
そう言うと、娘は井の頭池に身を投げました。その姿は、みるみる白蛇に変わっていったということです。

長者夫婦が祭った宇賀神像

驚いたのは、また、悲しんだのは今まで育ててきた長者夫婦です。

しかし、二人にはどうすることもできません。長い間、長者夫婦はご飯も食べられず、
みるみる衰弱してしまいました。

すると、池の中から声が聞こえてきたのです。
「いつまでも悲しまないで、わたしはいつもこの池の中から、お父さん、お母さんを弁天様と一緒に見守っています」

長者夫婦はたがいに顔を見合わせ、手をとりあうと、しっかり立ち上がりました。

そして、長者夫婦は人頭蛇身の蜷局(とぐろ)を巻いた宇賀神像を弁財天に寄進しました。

宇賀神像